★☆★つくしんぼひろばへようこそD★☆★                     Update:2003/12

〜ちーちゃんのページおもいで

                  

                                    

 公文の教室でのこと

ちーちゃんとの初めての出会いは、1998年の4月。彼女が肢体不自由児のための養護学校の6年生の時でした。
きっかけは妹さんがみどりの教室で学習されていたこと、同じ養護学校のお友達がつくしんぼ教室に通っていらしていたことなど。お母さまからのご相談を受け、みどり先生は過去に重い障害をもつお子さんを何人かお預かりした経験がありましたので気負いなくお引き受けすることができました。ただ、あいにくつくしんぼ教室に空きがなく、火曜日の教室が始まる前の30分を学習にあてることになりました。
いつもお家で使っているウレタンのマイチェア持ち込みでの学習です。階段のある玄関からではなく、縁側から最短距離で抱っこで入室します。学習は迷わず国語8A教材(漢字カード)のインプットからスタート。ここで言うインプットとは、まだ読み書きできない段階の子に対して教材・教具・本などの絵や字を見せて語りかけをする、あるいは歌って聞かせる等のことを指します。
しかし、程なくして、視聴力障害をも併せもった彼女にA5サイズの小さな教材のインプットはまだ難しいことに気付かされました。そこでA4サイズに拡大した文字ををマッチングさせていくやり方に切り替えました。この頃はまだ私とは意志の疎通がはかれず、何とかイエス・ノーのサインさえ決められれば先の見通しは立つのにと、私はお月謝を頂いている手前もあって正直あせっていました。そう、公文の教材は本当にイエス・ノーの表示さえできれば先へ進めるのです。一方、ちーちゃんママは、私よりも彼女とはずっと長いお付き合いである貫禄でちっとも焦らず、ましておおらかな性格なのでなかなかこちらでお願いした宿題を消化して下さらない。その心の焦りを感知されてか、私はインプットの度に彼女に狸寝入り(?)され、ブーイングもしょっちゅうで。その反面、(こちらの方は回数は少ないのですが)、気に入った言葉とか字が出てくるとにっこりと笑ってくれる。ところがそれがなかなかイエス・ノー表示には結びつけられるまでには至らないのです。

 【ある日の学習メニュー】
  2:30 ★入室 こんにちはのカードを見せながらごあいさつ
                    (ちーちゃんママに習った手話を少し入れて) 
        ★♪歌 ABCの歌、セブンステップス(この歌にもっとも反応がいい)
                           など。
      ことばのインプット
        ★ちびまるこちゃんのキャラクターあて
        ★生活ことばカード(ママ手書きのちいちゃんちの間取り図に
                         マッチングさせていく)
  
     ★流れる大きな紙芝居「わたしのワンピース」      etc.
    3:00 ★さようなら(カードと手話による)
         この時間になると他の生徒も入室し始め、時には横に集まってくる。
           2歳児のまりちゃんなど何の抵抗もなく学習に加わる。

昨年10月の公文式指導者の研修会では上のメニューでモデル生徒をつとめてくれました。20名近い見学者もちーちゃんの学習にいっしょに加わって参加者の心が一つになったひとときでした。ここぞと言うときに抜群の集中力を出してくれたその日、物言わぬ彼女の底力を見た思いがしました。これはモデル生徒をつとめてくれた他の子も同様です。

思い起こせば、体調に左右されやすく週1回の学習日が調子よくとれれば万歳という不安定な学習状況でした。
それでもゆっくりゆっくり彼女は変わってきました。集中力が長く持続できるようになったこと、物を見る力(凝視力、追視力)がついたこと、耳からの反応が速くなったこと、好き嫌いの意思表示が顕著に表現できるようになったこと、入室してくるスタッフや生徒の足音が聞き分けていたこと、等。
これらの変化は、私の方が発信を受け止める力を彼女から能力開発された結果ともいえますが。
私もスタッフも火曜日にちーちゃんの笑顔に会えるのを心待ちにしていました。
手先が器用なママの手作りの洋服に包まれて、優しく笑うちーちゃん。
彼女と出会いは明らかに私とスタッフを変え、触れ合った人々と子供達の心にしっかりと思いを刻んでくれました。
                                          (みどり記/写真提供;ちーちゃんママ)
                                       

 

 
 1999年12月28日、豊田みどりの教室では一人の大切な大切な生徒さんを亡くしました。

 重い脳性まひの障害を持ちながら、笑顔がとびっきり可愛らしい女の子、ちーちゃん。

 ご家族の惜しみない愛に包まれた13年でした...

 出会いを作って下さったお母さまと彼女に感謝をこめてこのページをおくります。
                      

 



 つくしんぼひろばにちーちゃんのページを作ることは彼女が元気だった頃にみどり先生がちーちゃんママに提案していたことです。「ページができたら絶対見せたい」、ママがそう考えて彼女のために注文した「IーBOOK」、それは亡くなられて1週間後に届いたそうです。養護学校の担任の先生もパソコンを使った指導を試みていらっしゃったとお聞きしました。
そして、今、主を無くしたパソコンを使ってちーちゃんママとみどり先生のメール交換が始まっています。
ちーちゃんママは多彩でかつ感性溢れる方です。お子さんを失った痛みはとてつもなく深く、昇華されるには長い長い時間を必要とするのでしょうけど、きっとその力と経験をよい方向に向けていかれることと思います。


♪♪♪♪♪ 天国のちーちゃんへ ♪♪♪♪♪

 

3月19日/2000
きょうは春一番が吹きました。学校もそろそろ春休みです。
みどり先生のお庭でもいろんなお花が芽吹き始めて先生はお手入れで忙しくなります。 
今年はどんなお庭になるのか、ちーちゃん、楽しみにしていてね。 
妹のエリちゃんは公文をがんばってるよ。 お教室でもメガネをかけるようになって雰囲気がママに少し似てる。そして賢そう。ちーちゃんの感想はどう? 宿題を忘れないようお姉ちゃんからもぜひハッパをかけてあげてください。


4月29日/2000、みどりの日。
お教室の小さいお友だちが「先生、この教室の日だね。」って言ってくれました。本当、「みどりの教室の日」にするね。
このところのみどり先生は一生懸命お仕事に励んでいます。お教室の先生達の席の横ではちーちゃんの写真がいつも笑ってくれています。そう、この間、ママからメールを頂いて、野尻先生の発表がのっているホームページに行って来たよ。ちーちゃんが学校でパソコンを使っていたのは知っていたけれど、野尻先生の論文を読んで、そうか、こんな風にして使うことができるんだと、みどり先生もよい勉強になりました。ちーちゃんは天国でもパソコンしてますか?

野尻先生のちーちゃんについての発表が載っているHPのアドレスは 
         http://www.edu.ipa.go.jp/E-square/   です。
         「Eスクエア,プロジェクト成果発表のご案内」⇒「分科会の時間割,内容」
         <重複障害児学級におけるインターネット利用の可能性>⇒
         「富山県高志養護学校  野尻智之」とクリックしてください。          4/29


4月30日/2000
ちーちゃんママからメールで写真を送って頂きました。学校の家庭科クラブののお友達が作ってくれた色紙です。
似顔絵がよく似てる! 「ずっと ともだちだよ」 ステキだね。
               


5月2日/2000
ちーちゃん、今日久しぶりにママが教室にいらして、先生ステキなプレゼントを頂いてしまいました。ステンドグラスの手作りの作品。デジカメを持たないのでイラストにしたよ。

【メールより抜粋】
>あのような植物を入れて楽しむのを,“テラリウム”というのですが、
>本などでは,“ハイドロビューム”のようにして直接入れてあったのですが、
>なんとなく水分が気になったので,私は鉢に入れたものをテラリウムに入れています。
>
>>2番目に長くいるパソコンの側の窓際に置かせて
>>いただきました。
>> 一生の宝です。(みどり)
>そんな風に言って頂くと,とても恐縮です。
>なんとか勇気を出して渡せて良かったです。


5月5日/2000

きょうは子供の日。窓の外は快晴です。
【メールより抜粋】
>前に、先生から智恵美に御土産としていただいた布を,
>妹用の服にさせてもらいました。写真を映したので送ります。

いつもながらちーちゃんのママ、器用だな。
ちーちゃんは「あぁ〜、それ わたしのよっ。」って
言うかな?
きっと、やさしいから「とってもカワイイよ。」って言ってくれると先生は思います。

 

7月9日/2000

ちーちゃん、ずっと更新してなくてごめんなさい。もうすっかり夏。
教室のお庭には、こぼれ種から育ったサフィニアやインパチェンスが賑やかに咲いています。
先生のパートナーが日曜大工で新しいウッドフェンスも作ってくれたよ。

そうだね、今思い返すと、ちーちゃんの学習日にはちっともゆとりがあげられなかった。。。
車から、部屋の中までスピード搬送、とってもお庭眺める暇はなかったね。
ママも、改めて、「あっ、こんなお庭だったのかぁ!」って気付いたくらいですから。
                そうそう、 そろそろ、ママにメール送りましょう。

             

10月25日/2000

秋が一段と深まりました。久しぶりのホームページへの書き込みです。
ホントはちーちゃんとは教室日ごとに写真でお話ししてるんだよね。

夏休みには小さいあけちゃんも公文の教室に通っていました。
あけちゃんは、とてもあっけらかんとした子どもらしい子。
ひょっとして、ちーちゃんは毎日ドキドキしてたかもしれませんね。
6年生のえりちゃんは今年は富山国体のマスゲームで大忙しでした。
28、29日にはきらりんピックも始まります。

 

11月14日/2000

   

ほら、ママから送信してもらった紅葉の白山でのスナップ写真。
みなさん、ちょぴりおすまし、笑顔から家族の絆が伝わってくる。
もちろん、ちーちゃんもいっしょ。
えりちゃんが明るく話してくれました。{すご〜く楽しかった♪」


12月28日/2000

 この日の少し前から何だか心のどこかで落ち着かない。
昨日は公文のお教室の仕事納め。K先生とちーちゃんのことを少し話したよ。
教室が終わって、だあれもいなくなってちーちゃんの写真を先生ジーッと見ていた。
「よく笑ったね。よく怒ったね。もう一度やりたいね。」

実はこのところ、みどり先生はつくしんぼ教室のお仕事のことでずっと揺れています。
揺れるたびに、ちーちゃんの写真の目に叱られて、軌道修正。 ありがとう。

   亡くなった人は生きてる人の心の内で確実に生きている。
   いろいろな人達の心を支えている。 また次の1年が始まります。。


 

12月28日/2001

  今年の公文のお教室は明日まで。
7月に改装したのでとてもスッキリした感じになったよ。
お玄関とホールの天井は青空の壁紙が3階までず〜っと続いている。
階段のつきあたりには大きな「公文の木」が。
生徒みんなの顔写真が貼ってあります。
みんな、とってもよく勉強します。きっと ちーちゃんは時々覗きに
きてくれているかなあ。。。
 
   えりちゃんに会えなくなったのはちょっと残念ですが、お年頃で自分の思いがあるし、勉強の場は
  公文だけじゃないものね。あけちゃんは頑張ってるよ。
   お母さんにまた、新しいステンドグラスの作品を頂戴しました。
  すっかり腕を上げられて、とても綺麗なランプです。宝物に感謝。
 

12月28日/2003

 過ぎてしまった日の早いこと。もう4年になるんだね。今日もち〜ちゃんとひでちゃんは、教室の先生の席の後であの頃と同じ顔で笑ってる。

これは、教室前の雪だるまのライトアップ。きれいだよ。・・・ちいちゃんには見えますか?
















 

12月28日/2004

  公文のお教室は昨日が仕事収め。昨年は教室内で怪我をした子が2人出たり、ちょっと大変な1年でしたが、今年は穏やかなみどりの教室でした。朱美ちゃんも元気に学習を終えて帰りました。
先生、うっかり ち〜ちゃんへのお花を渡すのを忘れてしまった。
(*^。^*)後でお家に届けておくね。
 
来年もいい年になるよう頑張るよ。
写真は、教室玄関の天井です。ね、いつだって青空が広がってます。


♪ ABC's Song srrenged by Uttchy
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